Free Energy Perturbation (FEP)
Free Energy Perturbation(FEP)について
- 自由エネルギー摂動(Free Energy Perturbation, FEP)は、リガンドとタンパク質の結合に伴う自由エネルギー変化を計算するための統計力学に基づいた手法で、高精度に活性を予測する手段の一つである。
- Absolute Binding FEP(ABFEP)とRelative Binding FEP(RBFEP)の二つの手法が知られている。
- AFEPは高精度な予測が可能であるが、多くの中間状態の計算を必要とするため高い計算コストが課題である。
| Absolute Binding FEP(ABFEP) | Relative Binding FEP(RBFEP) | |
|---|---|---|
| 特徴 | リガンドが溶液中からタンパク質の結合部位へ結合する過程の自由エネルギー変化を直接計算 | 2つの異なるリガンドが同じタンパク質に結合する際の結合自由エネルギーの変化を計算 |
| 適用範囲 | 個別リガンド可 ヒット探索や母核変換など大きな構造変換にも適応可 |
個別リガンド不可(類似化合物間の比較に限定) 側鎖の変換などリード最適化向き |
| 予測精度 | やや高い(RBFEPには劣る) | 高い |
| 計算時間 | 長い | やや長い |
| 計算コスト | 高い | やや長い |
| Xeureka 開発状況 |
Xeureka AFEP / Xeureka RFEP (Tokyo-1でソフトウェアとして展開中) | |
Tokyo-1にてソフトウェアとして大手製薬会社様がご利用中
- 簡易なインストールにより、Tokyo-1環境で大規模なABFEP計算が可能
- 計算規模に応じたライセンス料金ではなくサイトライセンスの為、大規模計算を手軽に合理的なコストで実施可能
- ご利用製薬会社からのフィードバックを基に随時機能を改善中
Tokyo-1で磨きこまれたABFEPを活用し、ゼウレカとして受託解析でも対応中
- お客様のご要望に応じ、ゼウレカで保有する大規模計算リソースを活用したABFEP計算を代行
- 利用用途例:Binding pose validation(複合体の妥当性検証)、Virtual Screeningのリスコアリング、 Scaffold Hopping(母核変換)等
FEP の利用シーン
AFEPの利用シーン例
Hit ID
- バーチャルスクリーニングによるHit化合物取得(Hit率の向上)
Hit to Lead
- Hit化合物の薬理活性向上(特に大きな構造変換)
- Scaffold Hoppingによる新規母核の取得(母核の複線化)
Lead optimization
- ADMET予測や化学構造生成AIとの併用による化合物デザイン(薬理活性とADMETの両立)
- 開発候補化合物と異なるScaffoldのバックアップ取得(Scaffold由来の毒性の懸念回避など)
Xeureka AFEPを用いたScaffold Hopping
- 臨床開発化合物AとTarget Xの複合体構造を基に、Xeureka AFEPを用いて、異なるケモタイプの既知化合物の活性を高精度に予測することに成功。
- Xeureka AFEPは、Scaffold Hoppingにおいても強力なツールとして活用可能
Xeureka AFEP/RFEP の精度
- ベンチマーク論文*のデータを用いた、Xeureka AFEP / RFEPそれぞれの予測精度検証
- 創薬研究において十分に活用可能な高い予測精度を確認
* Wei Chen, et al. J. Chem. Inf. Model. 2023, 63, 3171-3185
Xeureka AFEPの精度
ベンチマーク論文*から、8ターゲットにつき10リガンドずつ選択し計算実施
Xeureka RFEPの精度